派遣社員として勤務している派遣先が、とても良い環境職場だったというケースがたまにあります。
派遣社員のままでは最長で3年しか同じ派遣先にはいられないため、安定を求める意味でも正社員になりたい人は多くいます。
しかし、派遣社員から正社員になるには多くの関門がありますし、事前に確認しておくべきことを確認しないまま正社員になって後悔することもあります。
本記事では、今の派遣先で正社員になりたいと考えている場合に、あらかじめおさえておきたい5つのことを解説します。
僕はかつて人材派遣会社の営業として勤務し、派遣社員から正社員を目指した経験もあるので、参考にしてもらえれば何よりです。
派遣社員から正社員になる道のりは長く厳しい
最初に念頭に置いておきたいのは、派遣社員から正社員になるのは非常に大変ということです。
そもそも派遣社員は、派遣元(派遣会社)に在籍している身分でありながら、実際には派遣先で働いているという特殊なポジションです。
正社員になるには、派遣元と派遣先の双方からその許可を得なければなりません。
また、派遣先に派遣社員を正社員として雇用する制度があるか、自分が正社員として雇用されるに値する実力があるかなど、多くのハードルがあります。
自分の努力だけではどうにもならない部分も多く、その道のりは長く厳しいです。
それでもなりたいのであれば、派遣先の会社の制度を調べ、普段の働きぶりも見直すなどやるべきことをしっかりやっていかなければなりません。
「今のままやっていけばいつかなれる」なんて保証はどこにもないことを肝に命じておきまょう。
正社員になるために必要な最低限の条件
今の派遣先で正社員になりたい場合、派遣先の会社がそれを承諾してくれることが大前提です。
会社によって異なりますが、基本的には最低でも以下の条件を全て満たしていないと実現は難しいでしょう。
それぞれ詳しく解説していきます。
派遣先からの評価が高い
正社員になるには、派遣先に「この人なら正社員として雇用するだけの価値がある」と思わせなければなりません。
その価値基準となる要素は多々ありますが、最低限以下の点は求められます。
・勤怠が良好(ほぼ皆勤)
・成績が優秀(部署内で3位以内など)
・人間関係を円滑に築ける
・指示されたこと以上の成果を出す
ちなみに「派遣先」とは、具体的に言うと人事権を持つ人物を指します。
つまり上層部にいる人達ですね。
上層部は基本的に現場のことを分かっておらず、1人1人の現場スタッフのことなんて分かっていません。
その目に留まるには、相応の結果を出して名前を売る必要があります。
推薦してくれる上長がいる
正社員になるにあたり、自分の上長からの推薦は不可欠といっても過言ではありません。
普段の自分の仕事ぶりを間近で見ている存在なので、この上長がどのような評価をしているのかを、派遣先は必ず確認します。
ここで上長が「この人なら正社員として雇用してもいいと思う」と推薦してくれれば、力強い後押しになります。
なので、上長とは信頼関係を結んでおくことが必要です。
もし折り合いが悪いなどあるなら、遠慮なく別の上長に相談しましょう。
上長との関係性はパフォーマンスにも影響するので、これが悪いと正社員への道の障害になります。
正社員試験に合格する
正社員の求人は、大半が筆記試験と数回の面接が設定されており、それら全てを通過して採用されますよね。
派遣社員から正社員になるにも、この試験を受ける必要があることが多いです。
もちろんはじめから正社員求人を受けるのとは異なりますが、ここで失敗すれば正社員にはなれません。
派遣社員の顔合わせとは違って緊張感はものすごいので、プレッシャーに負けずいかに自分をアピールできるかが問われます。
主体性を持って提案していく
大半の派遣社員は、言われたことをやるだけです。
間違った仕事の仕方ではありませんが、いつまでも使われるままで、何も変わらないでしょう。
正社員となる以上、自分から指示していかなければならない場面が必ずありますし、意思決定や行動には責任が伴います。
そのため、受け身ではなく主体性を持って仕事に取り組んでいかなければなりません。
それが周囲の注目を集めることになり、評価へも繋がります。
正社員になる前に確認しておくべきこと
正社員という雇用形態ばかりに注目していると、他の重要な点を見落としがちです。
そもそも正社員になっても、そこで終わりではなく、新しく多くの仕事をしていくことになります。
それを踏まえて、以下の点は事前に確認しておくことをおすすします。
待遇は今より良くなるのか
正社員というだけで、派遣社員より待遇が良いと思っている人は少なくありません。
しかし昨今の正社員は、決して待遇が良いとは言えないケースが数多くあります。
僕が中小の人材派遣会社の営業として働いていた時、雇用形態こそ正社員でしたが、待遇は以下の通りでした。
・手取り:205,000円 ※みなし残業代(30時間分)含む
・交通費支給:あり(実費支給)
・有給取得率:数値不明だが先輩や上司で取得している人はほぼゼロ
・月あたりの残業時間:45時間以上(みなし残業代以上の時間してもその分はつかない)
現在は『同一労働同一賃金』が導入され、以前にも増して正社員と派遣社員との間に格差がなくなっています。
また、正社員といえど会社の経営状況などによって雇用が危うくなることは、コロナ禍で証明されています。
今の派遣先で正社員となることが、本当にメリットのあることなのかしっかり確認しておきましょう。
その会社に将来性はあるのか
たとえ正社員になれたとしても、雇用主である会社が倒産などしてしまえば、何の意味もありません。
コロナ禍はひとまず過ぎたとはいえ、依然として日本経済は良くなっているとはいえない状況です。
その会社で正社員になるよりも、他の会社で正社員になった方が長期的にみて良いこともあるでしょう。
今の派遣先が、今後さらに需要が伸びる可能性があるのか、経営が傾くリスクを抱えていないかなどを、十分に調べておいた方が安全です。
もし少しでも怪しい部分があるなら、他の道も検討すべきです。
↓ほかの会社の正社員求人も確認してみる↓
転職、求人情報ならリクルートの転職サイト
【リクナビNEXT】
口コミに不穏なものはないか
派遣社員として働くのと、正社員として働くのでは、責任範囲も周囲からの扱いもまるで変わります。
派遣社員は基本的に業務が限定的で、慣れればラクができる部分も多くあります。
対して正社員は、業務が多岐に渡り責任も重いので、負荷が大きいです。
正社員をいいようにコキ使う会社もあるので、口コミサイトで正社員として働いた経験のある人の口コミを確認しておきましょう。
そこで不穏なものがあれば、今の派遣先で正社員にはならない方が賢明です。
派遣先も派遣会社も信用はするな
派遣社員から正社員を目指すにあたって肝に銘じておいてほしいのは、派遣先も派遣会社も信用はしない方がよいということ。
例えば派遣先から「いずれは正社員になってほしい」などと言われたとしても、それを保証するものはありません。
口では都合の良いことを言っておいて、いざとなったら反故にするのは会社という組織がよくやることです。
派遣先も派遣会社も、最優先するのは自社の利益であり、こちらがどうなろうが知ったことではない・・・というのが本音です。
雇用についての契約書を交わすなどがない限りは、何も信じない方が自分のためです。
正社員の求人も調べて比較・検討しよう
今の派遣先が良い職場環境だから、正社員となって安定して長く働きたいという気持ちは素晴らしいものです。
ただ、ここまで解説してきた通り、盲目的に今の派遣先で正社員を目指すと、後々困ることも出てくるかもしれません。
これを防ぐためにも、並行して様々な正社員の求人を調べて、今の派遣先で正社員となることのどちらがいいか比較・検討してみましょう。
最初から正社員採用となる方が確実ではありますし、時間もかからない可能性もあります。
今の派遣先でどうしても正社員になりたいのであればそこに向かって一直線で問題ありませんが、広い視野で見ておいた方が、自分が本当に進みたい道が何なのか見えてくることもあります。
このことを忘れず、正社員を目指して頑張ってください。
↓正社員の求人を探してみる↓
コメント