キックボクシングでダウンした時の選手の状態とは

格闘技のこと
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キックボクシングの試合において、観客が盛り上がる場面はいくつかありますが、その中の1つが選手がダウンした時です。

パンチ・キック・膝蹴りや肘打ちなど、ルールで認められている攻撃(有効打と呼ばれています)によって相手をグラつかせ膝をつかせたり、仰向けもしくはうつ伏せに倒した時に、レフェリーによってダウンと認定されます。

たった1度のダウンによって勝敗が決することもあるほどですが、実際にダウンさせられた選手はその時どのような状態になっているのか、気になる人もいるかと思います。

そこで今回は、格闘技を10年以上やってきてこれまでに何度かダウンした経験のある僕が、ダウンした時の心身の状態についてお話します。

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ダウンには2種類ある

はじめに説明しておくこととして、実はダウンには大きく分けて2種類あります。

①は、意識が途切れて立ち上がれない状態にされること。

②は、あまりの激痛や呼吸困難によって立ち上がることが出来ない状態にされること。

前者の代表的なものは、顎を打ち抜かれた時です。顎を打たれると脳が揺さぶられて、平衡感覚を保てなくなります(脳震盪を起こします)。

こうなると身体は勝手に倒れてしまい、平衡感覚を失ったままで意識も朦朧(もうろう)とするので立ち上がることが出来ません。

後者の代表的なものは、ローキックで足の太ももを打たれたり、ボディブローで肝臓や鳩尾(みぞおち)を打たれた時です。

激痛によって立ち上がる気力を奪われたり、呼吸困難で立ち上がれず悶絶することになります。

正直どちらも体験せず済むなら、それに越したことはありません(笑)

①のダウンをした時の状態

僕がこのダウンを経験したのはスパーリング中でした。

自分がストレートパンチで右手を前に伸ばした時に、それに被せる形で相手が右手のフックパンチをカウンターで繰り出し、顎に思いきり喰らったことによるダウンです。

攻撃が全く見えていなかったので何が起きたか分からなかったのですが、空中を浮遊している感覚になり気が付けばいつの間にか仰向けに倒れていました。

ちなみに倒れてから少しの間は、周囲の声はぼんやりとしていて何を言っているか分からず、視界もぼんやりでどうなっているか分かりません。

意識がハッキリしてくると、「大丈夫か!」と言いながら心配そうに覗きこんでいる相手とジム生がいるのにそこで初めて気付きました。

それから時間を置いて回復して、なぜ自分が倒れていたのかを聞いてこの段階でようやく相手の攻撃によってダウンしたことを知ります。 

つまり①のダウンは、ダウンした本人がその理由を掴めていない状態である場合があるということです。

普通に考えてメチャクチャ怖いですね(笑)

②のダウンをした時の状態

僕が経験したのは、鳩尾にバックスピンキックという回転蹴りを喰らったことによるダウンでした。

喰らった瞬間、呼吸ができなくなり倒れこんで、それから1分ほどは地面をのたうち回っていました。

呼吸が上手く出来ないため立ち上がるなんてとても出来ず、ただひたすらに苦しみながら喘いでいる状態なので、何も知らない人が見たら恐らく救急車を呼んでいたでしょう。

これは意識がハッキリしている分、回復するまでとてつもない苦しさが続き地獄を味わいます。

まとめ

以上2つが、ダウンした時の選手の状態です。

①も②も種類こそ違えど、ともに立ち上がることが出来ない(大変難しい)状態になります。

つまり立ち上がれない程のダメージを身体に受けているわけなので、これを繰り返せばいつか心身に取り返しのつかない影響を及ぼす可能性もあるわけです。

そう考えると、プロのキックボクサーという職業は冗談抜きで命懸けだということが分かります。

彼等は命を懸けてリングの上で戦っているんだということを頭の片隅に置いて試合を観てもらえると、格闘家の端くれとしては嬉しい限りです。

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