世の中には数多の格闘技が存在しますが、大きな括りで「打撃系」と「組技系」に別れています。
「打撃系」はボクシングや空手、「組技系」はレスリングや柔術などを指しています。
格闘技にあまり詳しくない人は両者の違いが具体的には分からず、始めるにあたってどちらをやった方が良いか悩む場合も多いです。
そこで今回は、格闘技歴10年以上の経験を持つ僕がそれぞれのメリットをご紹介します。
これを読んでくださっている人の参考となれば嬉しいです。
打撃系格闘技のメリット
ミットやサンドバッグへの打ち込みはストレス解消に抜群
ストレスが溜まっている人がモノを殴ったり投げたりしていることがありますが、あれはそうして思いきり力を出すことでストレスを少しでも和らげようとしてからです。
とはいえ、そんな風にモノにあたるのは周囲に良く見られるものではありません。
ミットやサンドバッグを全力で殴ったり蹴ったりすると、気持ちがとてもスカッとします。
今の世の中、何かとストレスフルな環境に置かれがちです。そこで溜まったモヤモヤやイライラを発散する合法的な手段として有効です。
分かりやすくカッコよく見える
打撃の良いところは、『誰が見ても比較的分かりやすい』点です。
もちろん突き詰めると細かいコツやテクニックがたくさんありますが、パンチやキックを出すだけならば簡単なので、誰でも始めやすくて敷居が低いです。
また、ある程度上達してフォームが綺麗になり威力が増してくると、周囲からも「カッコいい!」とか「スゴいね!」と褒めてもらえるようになります。
人間は褒められたり認められたりするとやる気が上がってさらに頑張ろうと思えるので、良いサイクルにハマることができます。
細身で筋肉質な体型になれる
プロボクサーや空手家を見ると分かりますが、基本的に外見は割かし細身で、でも腹筋肉がバキバキという体型の人が多いです。
もちろん階級が重い選手であればその分体格が大きいですが、同じ体格の一般人に比べると圧倒的にシュッと引き締まっています。
これは鍛え方が『打撃をいかに早く強く繰り出せるか』に特化しており、それに最適化した肉体が出来上がっているからです。
実際、ミットもサンドバッグも無酸素運動と有酸素運動が組み合わさっているため、余分な脂肪はどんどん燃焼していきます。
ボクシングジムなどで頻繁に見かける宣伝文句の「ダイエットに最適!」というのは、決して嘘ではないということですね。
細身で引き締まった肉体に憧れがある人は、打撃系格闘技がピッタリです。
相手との接触が少ない
他人と身体を接触させるのは、どれだけ仲が良くても抵抗を感じる人がいます。
特に女性の場合、練習相手が男性だとどうしても嫌悪感や気持ち悪さを感じてしまうことが多いと思います。
打撃系格闘技は基本的に相手と身体を接触させることはあまりありません。
キックボクシングやムエタイで首相撲というテクニックを練習する際は接触がありますが、必須の練習ではないのでやりたくなければパスすることが可能です。
身体が触れ合うのが苦手な人は、打撃系格闘技の方が集中して気持ちよくできるのではないかと思います。
組技系格闘技のメリット
ゴツくガッシリした体型になりやすい
組技系格闘技は、いかに相手を押さえ込んだり投げ飛ばしたりできるかが勝敗を分けます。
そのためには打撃系格闘技のような細身で筋肉質な肉体よりも、筋肉でゴツゴツした屈強な肉体が必要となります。
そのため、そこを目指す鍛え方をしますし、相手と組み合い闘っていると自然と肉体がそのように変化していきます。
ガッシリした逞しい肉体に憧れがある人は、組技系格闘技の方がオススメです。
打撃が怖い人も安心してできる
僕がこれまでに何人かお会いしたことがあるのですが、人によっては『格闘技といえど、誰かと殴り合うのが怖い』という考えを持っています。
また、他人を殴るのに抵抗を感じるという人もいます。
格闘技である以上、それはそれとして割り切れればいいのですが、そうはできない人がいても何もおかしくないですね。
その点、組技であれば殴り合うことはないのでそんな人でも安心して取り組むことができます。
技が面白い
打撃と違い、組技のテクニックはバリエーションが多彩でその工程も繊細かつ複雑です。
なので始めてからある程度経験を積むまでは、どのように技を仕掛けていいのか分からず戸惑うことがたくさんあります。
しかしその分やりがいはありますし、少しずつできることが増えていくことに楽しさを感じられます。
試行錯誤を重ねて、自分だけの技を作ってみるということも不可能ではありません。
パズルを解くなど、頭を使うことが好きな人は組技系格闘技に向いています。
自分の目的や興味に合致する方を選ぼう
上記の通り、打撃系格闘技も組技系格闘技も、それぞれに特徴があります。
これを読んでもどちらをやった方がいいか決められない場合は、「どちらの方が楽しく続けられそうか」という視点で考えてみましょう。
格闘技において最も大切なのは、練習を継続することです。
どれだけセンスがあっても、継続できなければ意味がありません。
最後に1つだけ誤解しないでいただきたいのは、打撃系格闘技も組技系格闘技も、とても魅力に溢れたスポーツだということです。
どちらにも優劣はないので、自分の目的と興味に合う方を選んでくださいね。
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